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2006年10月 7日 (土)

夢のシネマパラダイス53番シアター:GO

Go 出演:窪塚洋介、柴咲コウ、大竹しのぶ、山崎努

監督:行定勲

(2001年・東映・122分)初見2001/11/10・フォーラム1

評価★★★★★/88点

内容:クルパーこと在日韓国人3世の高校3年生・杉原は、将来の夢もなく、けんかに明け暮れる毎日。そんなある日、彼は不思議な魅力を持った少女・桜井と出会い付き合うことになるが。。

“物語の粗を感じさせないほどの迫り来る疾走感。“今”という時代を反映したスタイリッシュざんぎり映画ここに見参!”

「ホタル」が1世代前の映画だとしたら「GO」は明らかに“今”の映画だといえる。

クルパーをはじめとするキャラたちの疾走感、特に山本太郎はどツボ、に映画全体が波乗りして押し寄せてくる。

徹底してクルパーの視点から描こうとするがゆえの粗のある脚本が逆に凄ぇ相乗効果を生んでるんだよなあ。狙ったのか?分かんねけど。

だって冷静に考えるとフツーなら柴咲コウの人物像をもっとちゃんと描いてもいいはず。あんなわけ分かんない女も久々に見た気がするし。

どうやら僕はこの映画観ている間、冷静さを欠いていたらしい・・・。

それだけクルパーの人物設定が今風であり、朝鮮風にいえば革命的なのではなかろうか。

1世代前の映画なら確実にジョンイルの方が主人公になっていたはずだ。

つまり、クルパーを主人公にした時点ですでにこの映画の斬新さやスタイリッシュな映像という要素は決定づけられたわけだ。

だが、あえてこの映画で最大の欠点、オイラが非難したい点を挙げるとすれば、それはジョンイルの唐突の死だ。

わけの分からん柴咲コウはどうでもいい。ジョンイルをもっと掘り下げて描いてもよかったのではないか。

これは自分の願望でもある。

「僕たちは国なんか持ったことありません。」と言うまでにはそれだけの過程があったはずだし、シェークスピアの引用にしてもそう。

クルパーが前世代に対して、「ダッセー!!」と言い放ったのに対し、そういうクルパーに憧れながらも一貫して闘いつづけていたのはジョンイルの方だと思う。

だから静かなる男ジョンイルの物語を見たかったというのは本音としてあるし、あまりにも唐突に死んでしまうなんて。

1世2世を断絶して前に進むというクルパー。だがそれは逃げてるともとれる。

クルパーは、日本人のルーツは中国や朝鮮にあって、もっと辿っていくとアフリカにたどり着くだとか、日本人は“日本”の意味を知らないとか言ってて、1番意識してんのはテメェじゃねえかよ、とも思うし、あるいは国籍なんか関係ないってことを言いたかったのか。

どちらにしろ、もしこの思考が1世2世は在日問題を終わらせることができなかったから「ダッセー!!」という思考と繋がっているのであれば、明らかにクルパーは逃げてる。

まあ様々な苦悩や苛立ちから出た言葉でもあるかもしれないけど。

だからなおさらジョンイルが惜しい。

前世代と今の世代の世代間対立をもってくるのであれば、対照者としてジョンイルは必要だったはず。

もっと突っ込んでいえば、クルパーにあれだけ語らせるよりはジョンイルに語らせる方がまだ良かったんだよなぁ、ともいえる。

しかし、そうするとごく普通の映画に成り下がってしまう・・・。ジレンマ、ジレンマ、ジレンマ・・・・。

結局、忘れてはならないのは、この映画は一貫してクルパーの視点から描いているということなのか。

すなわちクルパーが人間として成長していくという青春映画としての側面で見るべきなのか。そうすると、ジョンイルの死ほど大きな転機はないわけだ。彼の死がクルパーの虚脱を生み、闘争の熱を奪い去る。しかしその喪失を通してクルパーは一歩青年へと近づいていく。

たしかに青春映画としてはすごい秀逸だ。

どうやらオイラの願望はかなわないらしいが、映画の勢いを買うっちゃ。んGO――!

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知り合い曰く「柴咲コウは確かにうつくしい」とのこと。個性的で仕方がありません。でている雑誌をチェックしている人は多いでしょうね。柴咲コウ抜きに今の芸能界は語れません。 雑誌は欠かさずチェックしていますよ〜。 [続きを読む]

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