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2006年7月 1日 (土)

W杯狂想曲vol.32:準々決勝1st

ドイツ×アルゼンチン

今大会を通してこれぞW杯の醍醐味というギリギリの勝負マッチを初めて見れた気がする。やはり、これで負けたらもう先が無いというトーナメント方式の真剣勝負度はグループリーグの比ではないね。うん。満身創痍のバラックの執念の凄み。

そして何より感動したのが犬猿の仲、水と油だったカーンとレーマンがPK戦前に声を掛け合い握手していたこと。カーンは「頑張れ」と何やらアドバイスし、レーマンがそれに頷き笑顔で答えていた。こんなことってあるのか。。。オイラはホントに感動して泣きそうになったゾよ。。カーンの控えという立場は本人にとっては屈辱だったはずだし、試合中にベンチに座っているカーンの静かな姿は見ていてなんか可哀想だったのだが、カーン自身もしっかり闘っていたんだね。感動。ウルルルルウル涙・・・。

はあ。。。。

さて、この試合で注目すべきは、特に日本にとって、何と言っても120分通してアグレッシブだった中盤守備に尽きるでしょう。特に前半に関してはその中盤での潰し合いで45分間戦ったといってもいいくらい。

ドイツはデカイ体格を生かしての身体の当たりで局地戦を有利に進めたことに加えて、組織としての積極的な守備もしっかり機能していたと思う。

守備時に自陣に深く引くリトリートではなく、高い位置でボールを奪って攻撃に転じる強烈なプレッシングを採用している今回のドイツ。その際、ディフェンスラインをグッと押し上げて守備陣形をコンパクトにすることは定石なのだが、高く設定したディフェンスラインの裏を狙われやすいというリスクが常につきまとう。

そしてこのリスクを回避するために有効なのが、裏に抜けようとする相手をオフサイドにかける方法すなわち最終ラインを上げるオフサイドトラップなのだが、しかし、このオフサイドトラップが掛からなくて相手に抜け出されたら一巻の終わりなことに変わりはない。しかももともとラインを押し上げているこの戦法でオフサイドをかけるためにまたさらにラインを上げることは状況によっては非常に危険でしかも脆いと言わざるを得ない。特に中盤2列目からの飛び出しには滅法脆い。

先日のスペイン×フランスがまさにそうで、スペインの高く設定したラインに再三1トップのアンリがオフサイドに掛かっていたのは見ての通り。しかしフランスはアンリを囮にして2列目からの飛び出しでリベリーの同点ゴールを奪取している。まさにスペインの高く設定された最終ラインを逆手にとったフランスだったと言えよう。

ちなみにスペイン戦のフランスは完全なリトリート&リアクションサッカーで、自陣深くまで自軍全体が下がってから守備を開始し、スペインのパスサッカーに網の目を掛け、ボールを奪ったら速攻という形。この策が結局ものの見事にハマッてしまった。。とスペインファンのオイラの愚痴はここらへんにしてと。

で、要はラインをいっつもただ闇雲に上げるのは危険であり、状況によってはオフサイドを掛けることよりもラインを一度ブレイクして後ろに下がるまたは相手に付いていくという柔軟な対応も取らなければならないということ。

例えば、今季欧州一の称号を手にしたバルサはこの点がうまく改善されたんですよね。

04-05チャンピオンズリーグ(CL)でのチェルシーとの激闘でまさにバルサの高い最終ラインがものの見事に逆手に取られ敗北を喫したわけですが、咋シーズン再び相まみえた時には同じ相手と戦っているとは思えないほどの柔軟さをみせ快勝したわけです。

でやっとで本題に戻りますが、ドイツも同じような欠陥を抱えていたわけですよね。

W杯開幕前の親善試合ではこの点を突かれてイタリアに大敗したり、日本にも2失点を喫するなど特に最終ラインの守備に関しては不安の嵐が吹き荒れ、ディフェンス陣を若手で揃えたクリンスマンにも非難の嵐が吹き荒れていたわけで。

W杯開幕戦のコスタリカ戦でもディフェンスラインの裏を簡単に突かれて2失点と守備に関しては不安な立ち上がりを見せたドイツ。

しかし、試合を重ねるにつれメツェルダー&メルテザッカーで組む中央にサイドのフリートリッヒとラームも加えたディフェンスラインはオフサイドトラップへの執着を捨て、柔軟な対処を見せるようになった。それが組織的でアグレッシブな守備に安定感をもたらすようになったと思う。今日のアルゼンチン戦は開幕当初から比べたら見違えるほどの出来だろう。もちろん監督の方針転換もあっただろうが、試合を通して選手たちが確実に成長したことも確かだろう。

一方のアルゼンチンはドイツに体格差で劣るものの、リケルメ以外の選手たち圧倒的運動量と組織的で素早いチェイスでドイツの力強さを封じ込めることに成功した。前線に位置するテべスのあの執拗なチェイスを見たか!え、日本代表よ(苦笑)!

しかもテべス120分出ずっぱりで、攻撃でも孤軍奮闘。やっぱテクニックといった個の力はもちろんだけども、それに加えて戦術に裏打ちされたチームへの働き蜂に徹する忠実な貢献とあの運動量。あのテべスを見て触発されないはずがなかろう、ね、大久保さん。。

動き回るソリン、猛烈な追い込みをかけるテべス、強烈なタックルを見舞うルイス・ゴンサレス、、、テクテク歩いてるリケルメ・・・(笑)。

リケルメのおそらく最後のW杯は終わった、か。

この試合、終わってみれば選手交代が明暗を分けたと言ってもいいかもしれない。

アルゼンチンは、1点を先制した後、アクシデントでGKを交代し1枠使ってしまったのが痛かった。そしてリケルメ→カンビアッソで1点を守りに入り、クレスポ→クルスで前線での守備とボールキープを狙ったのだと思われるが、結果的には縦のラインの軸をすっぽり失うことになってしまった気がする。

一方ドイツは、シュナイダー→俊足オドンコール、クローゼ→ノイビル、シュバインシュタイガー→ボロウスキと適材適所の最良の交代枠を使い、安定感がブレなかった。

結局両者ガップリ四つのままPK戦となったが、アルゼンチンは相当悔いが残ったのではないかと思う。なにせメッシが、アイマールが、サビオラが出ないまま散ったわけだから。。

もう一方の対戦、イタリア×ウクライナは順当にイタリアの3-0という快勝。

特に言うことはないかな(笑)。だってイタリアのサッカーそのものなんだもん。

次のドイツ戦がホント楽しみ~~。

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ここでちょっと補足しとくと、オイラは自陣に深く引いてから守備を構えるリトリートサッカーよりも、FWも守備することを厭わない、ボールを高い位置で奪おうとするプレッシングサッカーの方が好きです。チェルシーよりもバルサの方が好きだし、見てて面白いのは言うまでもありません。

しかし、その守備において、試合状況や展開により柔軟性も持たないとリスクが高いという面を指摘したかったのです。

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